ご検討中の方はこちら

新着情報

お知らせ 2020年 08月 05日 2020年8月6日を迎えるにあたって

2020年8月6日を迎えるにあたって

 今年は人類で初めて核兵器が使用されてから75年という節目の年となります。
「2020年までに、核兵器廃絶を」と被爆者といっしょに取り組みながらも、地球上にはまだ1万4000発の核兵器が現存しており、核をめぐる多国間の軍拡競争へ逆戻りへの危機感も高まっています。被爆者の平均年齢は83歳となり、後世に被爆の実相を伝える時間も残り少なくなっています。
また、「新型コロナウイルス感染症の拡大」という新たな危機を抱えている年でもあります。新型コロナウイルスによる日本国内の感染者は1万人を超え、世界では社会的弱者を中心に感染拡大が進み、すでに70万人近くの人びとの命が奪われています。

 2019年度の世界中の国々が使う軍事費は約2006兆円とも言われ、その中には新たな核兵器開発を含む費用も含まれています。今こそこの費用を、コロナウイルス対策を含む公衆衛生、医療や福祉、生活と雇用のために使われることが必要であり、各国が協同してこの危機に立ち向かうことが求められています。

 今年のピースアクションinヒロシマは、新型コロナウイルス感染症対応のため、オンラインでの開催となり、全国の仲間がヒロシマに集うこともできなくなりました。
しかし、12,000人がオンライン参加登録をし、この間のピースアクション参加者を大きく上回りました。75年という節目の年を迎え、全国の組合員の各兵器廃絶への想いは確実に強くなっていると確信しています。

 今なお現存する1万4000発の核兵器は全人類の大きな脅威となっています。被爆者は、自らの体験を通じて、核兵器の使用がもたらす非人道的な結末を訴えてきました。ヒロシマとナガサキでは、原爆投下のその年の末までに20万人をこえる市民が命を奪われ、かろうじて生き延びた人びとも後遺症や社会的差別と貧困に苦しみ、その次の世代も健康への不安をかかえたままで過ごされています。

 私たち生協は、1951年3月日本生協連創立総会で「平和とより良き生活のために」というスローガンを確認し、戦争反対、核兵器廃絶の運動に加わる道筋をつくりましたが、その基には、被爆者の想いと行動があったからです。
国連でも核兵器の非人道性に対する認識の拡がりを受け、2017年には「核兵器禁止条約」が採択されました。今まさに「残虐で、非人道的な核兵器を禁止すべきだ」という被爆者の訴えが世界を大きく動かしています。ヒロシマで活動する生協として、被爆者の想いに今まで以上に寄り添い、「核兵器のない世界」をめざしていく決意を再認識し、この節目の年を多くの団体・個人と協同しながら、核兵器廃絶への歩みを力強く進めていきましょう。

生活協同組合ひろしま
専務理事 横山 弘成